花粉症の場合、点眼薬や内服薬でかゆみを抑える治療が一般的です。最近アレルギーの原因であるアレルゲンを投与して身体をアレルゲンにならして症状を抑えるアレルゲン免疫療法が注目されています。以前は注射でしたが、最近は飲み薬(シダキュア)が発売され、当院でも処方しています。


シダキュア とは?

スギ花粉症免疫療法の薬:シダキュア
シダキュアは錠剤です

スギ花粉を原料とするエキスから作られています。少量から服用することによって体を慣らし、スギ花粉によるアレルギーを和らげます。


シダキュアの効果

 治療を始めて、最初の年の効果はお約束できません。厚生労働省のアンケートでは約80%の方は前年に比べて、症状が軽くなったと回答しています。しかし、効果がみられない方もおられます。1年後に効果がなくても3年くらい続けることをお勧めしています。


お勧めしたい方

スギ花粉症が中等度以上ひどい方
◆性格的に根気よくまじめで、長く治療が続けられる方


投与できない方

🔶喘息・心疾患・自己免疫疾患・悪性腫瘍などの病気のあるかた

🔶妊娠中・授乳中の方、または妊娠の予定がある方

🔶服用後2時間は、運動を控えて頂くため、当院では学生への投与は勧めていません。

(詳しくは、アナフィラキシーショックの危険性について、下記「副作用について」をご覧ください。 )

🔶花粉が飛んでいる時期(12月中旬から5月まで)に治療の開始をすることはできません。

 


治療の流れ

1、初回来院

  スギ花粉症の確定  ⇒  血液検査

  1週間ほどで結果が出ます。

 

2、2回目来院

  スギ花粉症 のとき

  副作用確認のため、診察室でシダキュア内服。30分院内で様子観察。

  異常がなかったら、2000単位(上記の緑包装)1錠を1週間内服。

 

3、3回目来院

  1週間内服後副作用なければ、5000単位(上記の青包装)1錠を2週間内服。

 

4、4回目以降

  服用がきちんとでき、副作用なければ、1~2カ月毎の来院

 

 


副作用について

  • 🔶アナフィラキシーショック
  •  激しい運動、アルコール摂取、入浴などは避けるようにしてください。
    服用後2時間以降にこれらを行う場合にもアナフィラキシー等の副作用の発現に注意してください。
  •  ※服用前にこれらを行った場合には、十分に落ち着いてから服用してください。
  • 「アナフィラキシー」とは、アレルギーの原因物質が体内に入ることによって、一つの臓器にとどまらず複数の臓器に強い症状が現れる過剰反応のことです。循環器、呼吸器、消化器神経症状と全身に自覚・他覚症状が現れ、血圧低下や呼吸困難、意識障害などに進展する「アナフィラキシーショック」が起こると、命にかかわる危険な状態に陥ることもあります。
    アナフィラキシーでは、アレルゲンが体内に入った後、短時間に激しい症状が現れます。症状が出るまでの時間は、アレルゲンの種類や個人差がありますが、数分で重症に至る場合もあるため、迅速かつ適切な対応が必要です。最も多い症状は、蕁麻疹や赤み、かゆみなどの皮膚症状で8~9割の患者さんにみられ、続いて呼吸器、消化器、循環器など全身に渡る症状が複数かつ同時に起こるのがアナフィラキシーの特徴です。

🔶口の中の浮腫、かゆみ。不快感

🔶喉の刺激感、不快感

🔶耳のかゆみなど


費用について

受診費用とお薬の費用を合わせて、3割負担の方で、年間約3万円です。

3年にわたる長期の治療になります。